高速道路 なぜ料金を払うのか 高速道路問題を正しく理解する 宮川公男著 ~問題の本質を論じ誤った政策の修正を促す

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小泉政権時に行われた道路公団民営化では、こうした民間のノウハウの発揮が期待されていたのではなかったか。しかし、実際に行われたのは、民営化と呼べる代物ではなかったと論じる。もし、適切な民営化が行われていれば、新会社は料金引き下げや無料化など政府の人気取り政策に断固反対していたはずである。当時、民営化委員会は国民負担の増加をおそれて新会社の債務圧縮にばかり注力し、いったん検討されていた恒久有料化の議論を封じてしまった。揚げ句の果てに、採算の取れない高速道路については作らないのではなく、国費での建設を可能としてしまった。既得権益層は焼け太りしたのである。

日本の政策問題があまりに多いため、高速道路問題に気をとどめる人は少ない。しかし、民主党マニフェストだけでなく小泉時代の民営化を含め、高速道路政策を総括し、あらためて立て直す必要がある。誤った政策は修正しなければならない。

みやかわ・ただお
統計研究会会長、一橋大学名誉教授。1931年生まれ。同大学大学院経済学研究科博士課程修了。同大学教授のかたわら、産業構造審議会リース産業部会長、文部省学術情報センター運営協議員、経営情報学会会長、システム監査学会会長などを務めた。

東洋経済新報社 1890円 217ページ

  

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