清貧と復興 出町譲著

清貧と復興 出町譲著

「増税の前に行革を」の声の高まりとともに、臨調(第二次臨時行政調査会1981~82年)、行革審(臨時行政改革推進審議会83~86年)で会長として辣腕を振るった土光敏夫(元東芝社長・経団連会長)の人と行動に注目が集まっている。本書は土光の100の「至言」から学ぼうという。

土光行革は、「活力ある福祉社会の建設」と「国際社会に対する積極的貢献」を行政の2大目標にし、前提として「増税なき財政再建」の基本方針を厳守して、国民負担比率の上昇を極力抑制しつつ、行財政の改革をやり遂げようとした。

土光本人はぜいたくを嫌い、社長時代も生活費は月3万円だったという。現代日本の危機において頼れる人物を歴史上に求めるのは、いかにもふがいないが、土光から何を学ぶか。著者が言うように「土光のDNAは今も日本中に存在している。ただ、それがいまだ巨大なパワーとはなっていないだけだ」という指摘を信じたいものだ。

文芸春秋 1400円

  

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