どうする?日本企業 三品和広著

どうする?日本企業 三品和広著

六つの章のタイトル「本当に○○ですか?」が刺激的だ。○○に「成長戦略」「イノベーション」「品質」「滲(にじ)み出し」「新興国」「集団経営」が入るのだが、どれも意味深長で食指が動く。期待は裏切られない。成長やイノベーションや品質は戦後日本の絶対的目標である。その呪縛にとらわれた日本企業は「立地」戦略をおろそかにし、目標のわなにはまり込んで止めどもなく弱体化を続けている。

世界を席巻したセイコーのクオーツはマーケティングなきイノベーションによって自滅し、工芸品としてのピアノの世界に工業品を持ち込み王座を得たはずのヤマハは新興国の追い上げに敗れた。具体的分析を読み進むと、重大で意外性十分な経営学の神髄も待ち構えている。アップルのように「飛び地」だろうと、「自社のやりたい仕事を精密に定める」ことが経営戦略の第一歩だとする指摘は鋭い。 産業、企業、どうもおかしいと感じている人には格好の書。(純)

東洋経済新報社 1680円

  

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