「生涯の相棒」を選ぶ、いつか欲しい国産万年筆 メーカーの「アイデンティティ」を持つ贅沢さ

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その書き味は、ペン先をそっと紙に近づけるだけで、吸い寄せられるように文字が紙に生まれていくような軽快さで、「万年筆には筆圧は不要」という言葉が、まったくの誇張ではないと感じられるほどです。

大きなペン先なのに、小さな文字も書きやすく、ペン先が紙に触れている感触がほとんどないのに、狙った場所に狙った文字を書くことができます。特に、ややペンを寝せて書いたときの気持ちよさには定評があります。

初めて、この万年筆を使ってから、今に至るまで、個人的には、万年筆という筆記具の1つの頂点を極めた書き味だと感じています。

日本の3大万年筆メーカーのアイデンティティを持つ

プラチナ万年筆のプラチナのペン先と銀の軸、セーラー万年筆の日本語のためのペン先である長刀研ぎ、パイロットの漆の技術とペン先の完成度、それぞれに、そのメーカーの歴史と技術の蓄積が生んだ、唯一無二のアイデンティティです。

ここで紹介した3本は、そのアイデンティティを万年筆という製品に集約したもの。どれをとっても唯一無二の生涯の相棒になり得る最高の万年筆です。

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納富 廉邦 フリーライター

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のうとみ やすくに / Yasukuni Notomi

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娯楽系やモノ系を中心にレビューから評論、コラム、エッセイなど幅広く執筆。モノ系では、朝日新聞連載「そばに置きたい」、ITmedia連載「分かりにくいけれど面白いモノたち」、AllAbout「男のこだわりグッズ」の他、「二十一世紀の名品小物101」(TEXTLIFE)など単行本多数、音楽評論は単行本「40歳からのハロー・ギター」(幻冬舎)、「ローリング・ストーンズ完全版」「ボプ・ディラン完全版」(共に河出書房新社)など、美術評論はアートコレクターズ連載、単行本「見ようぜ!浮世絵」(TEXTLIFE)など、飲食系は単行本「drinkin'cha」(ロコモーション)、「珈琲は飲みものです」(TEXTLIFE)など。

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