岩田聡社長は「ゲーム人生」を駆け抜けた 娯楽の王国を守った経営者の功績とは?

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一方、任天堂がもがき続けるさなか、ゲーム業界では、スマホゲームへのシフトが鮮明となっていた。任天堂に「『スーパーマリオ』をスマホゲームで展開すべき」という外部からの声が強まった。参入に慎重だった岩田だが、2014年にはスマホゲーム開発に言及するようになり、今年はDeNAとの提携を発表。年内に1本のリリースを控える中での急逝だった。

岩田の後任社長は決まっていない。代わりに、代表取締役専務を務める竹田玄洋(66)と宮本茂(62)の二頭体制で、経営を指揮する。ただし、竹田はゲーム専用機の開発を統括する立場で、経営に明るいとは言いがたい。対する宮本も『スーパーマリオ』『ゼルダの伝説』を生んだスーパーゲームクリエーターだが、「天才肌で経営者タイプではない」(ゲーム会社首脳)。

次世代ゲーム機の開発は従来路線の自社ハードとソフトとの融合だけでは完結しなくなっている。任天堂自身、スマホを通じたネットワークとの連携を強める方針を掲げ、今後はDeNAが深くかかわることになるだろう。

これまで岩田は経営全般に加え、海外事業や外部会社とのやり取りを一手に引き受けてきた。55歳という若すぎる経営者の死は、任天堂にとって、過去最大の難局なのかもしれない。=敬称略=

「週刊東洋経済」2015年7月25日号<21日発売>「核心リポート02」を転載)

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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