解決叫ぶも成果なし「北朝鮮拉致問題」20年の軌跡 『北朝鮮拉致問題の解決』など書評4点

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ブックレビュー『今週の4冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『北朝鮮拉致問題の解決 膠着を破る鍵とは何か』

・『日米同盟の地政学 「5つの死角」を問い直す』

・『ヒトとカラスの知恵比べ 生理・生態から考えたカラス対策マニュアル(DOJIN選書:98)』

・『深海世界 海底1万メートルの帝国』

『北朝鮮拉致問題の解決 膠着を破る鍵とは何か』和田春樹 編/田中 均、蓮池 透、有田芳生、福澤真由美 執筆
『北朝鮮拉致問題の解決 膠着を破る鍵とは何か』和田春樹 編/田中 均、蓮池 透、有田芳生、福澤真由美 執筆(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・本誌コラムニスト 福田恵介

「大局から、条件なしで金正恩(キムジョンウン)総書記との首脳会談を目指す」。岸田文雄首相が繰り返してきた言葉だ。岸田首相だけではない。

北朝鮮による日本人拉致問題は、歴代首相の最重要課題とされてきた。2002年の日朝首脳会談での言動でその存在感を示した故・安倍晋三元首相、そして今秋の自民党総裁選挙でもキーマンとなる菅義偉・前首相も同じだ。

しかし、これまで繰り返されてきた言葉に比べ、具体的な行動や解決の兆しはまったく見えていない。02年の日朝首脳会談で、当時の小泉純一郎首相が、故・金正日(キムジョンイル)総書記との交渉で「生存被害者5人とその家族」を帰国させた。それから20年超。何の成果も見えてこない。

解決叫ぶが成果なしの20年 蛇行するままの軌跡を示す

「解決へ努力」という言葉とは裏腹に、交渉さえできないままブルーリボンを胸に付けるだけの日本政府の取り組みや、当事者・支援団体の動き、被害者本人の証言、北朝鮮との交渉内容などを整理し、その軌跡を描いたのが本書だ。

北朝鮮は02年の首脳会談当時、「13人を拉致、うち8人死亡、5人生存」と明らかにした。一方、日本は「全員生きている。被害者全員の帰国」を要求してきた。14年には拉致問題を含めた日朝交渉が行われ、解決への前進が期待されたが、交渉は続かなかった。以降、北朝鮮との交渉はない。

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