池袋西武とヨドバシ「売り場折半」の波紋と懐事情 北側にヨドバシ出店、西武の集客力に影響は?
デパ地下には「西武池袋本店のパワーコンテンツを集積」(同リリース)し、新ブランドを含む約180ショップ(改装前は約200)を展開する。
池袋西武の土地などがヨドバシHDの所有になったことで、池袋西武自体も家賃を支払って出店する1つの「テナント」となる。今までは池袋駅の改札付近を中心に南北に延びる店構えだったが、駅利用の利便性が高い北側には家電量販のヨドバシカメラの大型店が入居する予定だ。百貨店として集客力を維持できるかが要となる。
そごう・西武は池袋西武の本格的な改装工事に着手し、2025年1月から段階的にオープンする見通しだ。同店では地下2階で展開していた食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」を今年1月末に閉店した。
また、池袋西武の改装案は「基本的にそごう・西武が主体となって決めたもの」(前出と別の関係者)というが、ヨドバシHDが展開するスポーツ小売りの「石井スポーツ」との兼ね合いもあり、池袋西武8階で展開していた「西武スポーツ」も5月末で閉店している。
「百貨店半減」で従業員はどうなる
百貨店の改編で懸念されるのが、雇用の問題だ。正社員は前の親会社であるセブン&アイHDが今年の春から出向を受け入れているほか、現在の親会社であるフォートレスへの出向も検討されているもよう。また、池袋西武との店舗契約社員のうち、8月末までに退職の判断をした人を対象に「転身支援金」を支給することも明らかになった。
ラグジュアリー、コスメ、デパ地下のように重点展開する売り場がある一方、当然ながら縮小する売り場もある。筆頭が衣料品だ。現在は婦人服を主に3・4階、紳士服を5階で展開しているが、改装後は7・8階に雑貨、催事場、アートサロンが置かれ、その中にファッションも集約される。
関係者は「衣料品のナショナルブランドは、そごう・西武の(地方などの)標準店で重要な役割を果たしている。池袋から撤退を迫られれば、地方からも撤退するブランドが増えるのではないか」と影響を危惧する。
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