「温泉の玄関」修善寺駅、東京から特急1本の利便性 8月で開業100年、伊豆箱根鉄道駿豆線の終着駅

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修善寺編成は熱海で伊東編成と分割されると、そのまま東海道線を西へ進み丹那トンネルを抜けて三島へ。同駅から伊豆箱根鉄道の駿豆線に入る。踊り子は三島田町、大場、伊豆長岡、大仁(おおひと)を経て終点の修善寺に到着する。修善寺まで東京から乗り通しても約2時間ちょっとの乗車で気軽に出かけられる目的地だ。

一方、伊東編成は東海道線から分かれる伊東線へ入り、JR東日本で最南端の駅、伊東へ。同駅から東急グループの伊豆急行線に入り、伊豆高原、伊豆熱川、伊豆稲取、河津を経て伊豆急下田を終着とする。東京―伊豆急下田には「サフィール踊り子」も走っている。

踊り子 駿豆線内 E257
東海道線の東京駅と結ぶ特急「踊り子」(記者撮影)

地元の足「いずっぱこ」

営業キロ19.8kmの駿豆線は地元では「いずっぱこ」と呼ばれている。のんびりしたローカル線のイメージだが、普通電車は三島発が7時台は5本、それ以外の時間帯でも1時間に3、4本が運行していて利便性は高い。

車両は地方私鉄としては珍しく自社のオリジナル車両が多く、1979年デビューの主力車「3000系」や1991年登場の「7000系」が活躍。このほか元西武鉄道101系の「1300系」も走る。三島―修善寺間は各駅停車で35~40分程度の乗車時間だ。この区間は踊り子も特急料金200円で乗車できる。

伊豆箱根3000系 第1編成 軌道線カラー
三島行きの駿豆線「3000系」。この車両は「軌道線カラー」(記者撮影)

短い路線ながら沿線にはたくさんの観光スポットが点在する。伊豆長岡駅の東に位置する国指定史跡の韮山反射炉は1857年の完成。2015年に「明治日本の産業革命遺産」の1つとして世界遺産に登録された。同駅西側、狩野川を渡った先には温泉街が広がる。

源頼朝が若き日に流人としての日々を送っていたとされる蛭ヶ島付近には公園が整備されている。北条家ゆかりの願成就院では運慶作の国宝の仏像を拝むことができる。2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に登場した仁田忠常や源範頼らの墓所も沿線に点在する。

アニメファンの中には、沼津市が舞台の「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボ企画を目当てに訪れる人も多いようだ。駿豆線にもラッピング電車が走っている。

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