雨でも快適?「ゴアテックス」シューズの履き心地 スーツもカジュアルもオールラウンドで活躍

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「ゴアテックスメンブレン(膜)」と呼ばれる極薄のフィルムに超微細な孔が無数に開いており、これには水滴や風は通さないのに水蒸気は通すという特性があります。すなわち雨や風の浸入をブロックしながらも、汗の湿気を逃して不快な蒸れを抑えるといった相反する性能を併せ持っているのです。

ゴアテックスメンブレン
左:「ゴアテックスメンブレン」は約0.01mmと非常に薄く、補強のため表地&裏地を貼り合わせて3層構造の「ゴアテックスファブリクス」で使用する。ウェアでは2層で使用する場合もある。右:「ゴアテックスメンブレン」の拡大写真。1インチ平方に90億もの孔があり、この隙間は水滴の2万分の1の小ささ、蒸気分子の700倍以上の大きさのため、水を通さず湿気を逃す(写真提供:日本ゴア)

防水・防風・透湿性を兼ね備え、しかも薄くて軽量なゴアテックス素材は、過酷な自然環境と対峙するためのアウトドアウェアを筆頭に、南極探検隊の防寒着、またNASAの宇宙服にも採用されてきました。

持ち前の機能がタウンユースにも重宝

現在では、他社の類似素材もさまざま登場していますが、ゴアテックスの知名度は高く、世界中の一流ブランドからラブコールが絶えないのは、非常に優れたクオリティと徹底した品質管理があるからこそ。

ゴアテックスロゴ
防水・防風・透湿性が保証されたゴアテックス製品には、ロゴマークの下げ札が付属するほか、ネームタグやプリントが必ずあしらわれているので、購入時の目印になる(筆者撮影)

いかなるブランドであっても、ウェアやシューズの最終製品がゴア社による厳しい品質テストに合格しなければ本生産は許可されず、これをクリアしたプロダクトだけがゴアテックス製品として晴れて世に出ることを認められます。

そんなゴアテックス素材が靴にも導入されたのは、何も最近ではありません。1970年代、メンブレンを足袋のような形状にした「ゴアテックスブーティ」が開発され、これを内蔵したトレッキングブーツが誕生しました。

ゴアテックスブーティ
足を包み込むようにゴアテックス素材を成形した「ゴアテックスブーティ」。これがシューズの中に組み込まれている。※ブーティを使用しない製法もあり(写真提供:日本ゴア)

以降も主にアウトドア向けに使われてきたものの、持ち前の “ 濡れない・蒸れない ” といった機能はフィールドにとどまらずタウンユースにも有用なことから、徐々に普段履きのシューズにも搭載されるようになったのです。

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