広島の復興と能登地震、「都市復興」のカギは何か 人口増による「集積の経済」と復興への「期待感」

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晴天下の原爆ドームと遊覧船
(写真:kazukiatuko/PIXTA)

2024年元日の能登半島地震で、石川県珠洲市、輪島市の市街地は深刻な被害を受けた。近年、日本や世界各地で災害や戦争により都市が破壊されている。そうした街が復興するためのカギを握るのは何か。

本稿ではそのヒントとして、筆者とシンガポール国立大学の武田航平氏が共同で実施した研究を紹介したい。筆者らは、原爆投下後の広島がいかに復興したかに関して、可能な限り厳密な経済学的分析を行った。

広島の原爆は米軍により当時の(旧)中心部(紙屋町近辺)に落とされた。半径2キロメートル圏内の犠牲者はおびただしく、建物はほぼすべて破壊された。一方、市内でも周縁部、具体的には中心部から半径2キロメートル程度以上離れたエリアは相対的に被害が軽く、避難者の流入により人口がむしろ増加した。

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