「同窓会は意味がない」という中高年に欠けた視点 認知症専門医が助言「60代こそ出たほうがいい」
同窓会に行く意味がなくなってきて、遠方まで外出するチャンスはますます減ってくることになります。
そこで必要なのは、外出する他の理由を作っていくことです。
人間の祖先は食料を得るために、外に狩りに出かけていました。だから外出する理由など考える必要はなかったのです。生きるために必要なことだったのです。
老夫婦だけの生活をしていると、同じようなことが起きてきます。
私の外来に来ている患者さん夫婦では、奥さんが先に亡くなってしまうケースは、決して珍しくありません。女性のほうが長生きと言っても、逆のこともあります。
そうなってくれば、遺された旦那さんは、自分一人で食料を買いに行かねばなりません。こうして、生きるために外出するようになるのです。
ネットで食料も買えると思うかもしれませんが、高齢者の方はそれが一人ではできないのです。自分で無理してでも、買い出しに行く、それが現実なのです。
同窓会に行こうか行くまいか迷うということなら、逆に言えば、まだまだそれだけ元気ということかもしれません。
「人に会う本当の意味」がわかるようになる
話が大きく脱線しましたが、同窓会に出るべきか、出ないべきかの話に戻しましょう。
同じメンバーしかいないから、同じ話しかしないから、同窓会に参加すべきではない。その意見ももっともだと思います。
そのデメリットがあるのを見込んだうえで、それでも同窓会には出るべきだと考えています。
一人で家にこもってしまうようになると、一日だれとも話をしないことも珍しくなくなってきます。
人に会っていたからこそ、脳を刺激して、新しい感動も得ることできていたのです。
外出してだれかに会う、それができるかどうかが、あなたが外部とのつながりが持てるかどうかなのです。
友人は大切なものです。若いときの時間を共有したという経験は、代わるものがないのです。
同窓会という大げさなものはやめるとして、二人同窓会と称して、二人だけで食事をするならできるでしょう。人数が増えると日程の調整も面倒になってきて、先送りされてしまうことが多いのです。
すぐに日程が合う仲間一人か二人となら、今日にも会えるでしょう。
もうそれで十分なのです。
見栄も張らず、いつもの同じ話でもいいのです。外出して人に会うという大切さを維持していきましょう。
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