銚子電鉄の「だじゃれ」はどのように生まれるのか ユニーク商品や映画「電車を止めるな!」秘話も

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確かにそのおかげもあってか、車両や設備の置き換えも進んでいるようで、今年の3月から運行を開始した元南海電鉄(2200系)の22000形が運行を開始した。銚子電鉄にとっては、ワンオーナー落ち(中古車の中古車ではない車両)は久しぶりだ。

現状の暫定的な1時間に1本のダイヤを最終的には、以前の30分ヘッド(1時間に2本)に戻したいという想いも語ってくれた。しかし、「最低でもやっぱり、4編成を堅持しないとダイヤを戻せない。利用者のことを考えて、もう1編成なんとか確保したい。4編成を維持できないと、ダイヤを守れない」。

では、そのためにはもう1編成導入するのか。

「それは予算の兼ね合いによる。補助金をいただいてという話になると思う。当社の負担は3分の1とはいえ費用がかかるので取得できるかどうか」

ちなみに、22000形と入れ替わりに引退した「大正ロマン電車」2001編成(2001+2501)は評判がよく、次回導入する車両についても、観光需要を考慮した観光列車にしたいと語っていた。

ユニークな発想が存続の力に

竹本社長は最後に、こう締めくくった。「鉄道は地域の広告塔であり情報発信地。地域に少しでも貢献するためにつねに何か行動していかねばならないと思っている」。

22000形登場時は「シニアモーターカー(ベテランの車両)」、「なんかいい銚子(南海・銚子)」というダジャレが注目を集めた。同社のダジャレや自虐ネタが飛び出してから数年たつが、はじめの頃は「まじめに鉄道業をする気があるのか」という心配の声もあったという。

だが、こういったユニークな発想や取り組みは、現在の銚子電鉄存続の大きな力になったことは間違いない。今後も銚子電鉄の動向に注目していきたい。

22000形の前に立つ竹本社長(写真:銚子電鉄)
渡部 史絵 鉄道ジャーナリスト

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わたなべ・しえ / Shie Watanabe

2006年から活動。月刊誌「鉄道ファン」や「東洋経済オンライン」の連載をはじめ、書籍や新聞・テレビやラジオ等で鉄道の有用性や魅力を発信中。著書は多数あり『鉄道写真 ここで撮ってもいいですか』(オーム社)『鉄道なんでも日本初!』(天夢人)『超! 探求読本 誰も書かなかった東武鉄道』(河出書房新社)『地下鉄の駅はものすごい』(平凡社)『電車の進歩細見』(交通新聞社)『譲渡された鉄道車両』(東京堂出版)ほか。国土交通省・行政や大学、鉄道事業者にて講演活動等も多く行う。

 

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