銚子電鉄の「だじゃれ」はどのように生まれるのか ユニーク商品や映画「電車を止めるな!」秘話も

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銚子電鉄は仲ノ町駅に隣接する醤油工場から製品を全国配送するために、同社を窓口に銚子駅から国鉄に引き渡す貨車の運用も行っていた。現在は旅客運行のみだが、1998年当時、銚子電鉄の親会社である工務店が破産したが、当該工務店の社長が銚子電鉄の社長を兼務していた。その破産から6年後、個人的に資金繰りに窮していたと思われる社長が横領事件を起こしてしまった。この事件をきっかけに、銚子電鉄の経営はさらに悪化。事業の運転資金の不足で、車両の検査や設備費用が捻出できなくなっていた。

銚子電鉄は公式サイトに、「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」と称して、銚子電鉄のオリジナル商品として製造販売する「ぬれ煎餅」の購入支援を、全国に呼びかけた。「銚子電鉄」がメディアにも多く取り上げられるようになったのはその頃だった。全国からたくさんの支援が集まり、運転資金の調達に成功した。車両の修繕や設備の更新もなんとか行うことができた。

銚子電鉄のユニークな商品の中にはこのネーミングで大丈夫なのだろうか?と心配になるものもある。どのような経緯で商品の開発やイベントなどの内容を決めてきたのだろうか。直接、銚子電鉄に聞いてみることにした。

質問に答えてくれたのは竹本勝紀社長である。「企画については日頃から社員と立ち話をよくするようにしている。雑談や立ち話から面白い企画が生まれることもある。会議の中から有用な意見が生まれることももちろんあるが、どちらかといえば、雑談から生まれることのほうが多い」。

会議は行っているが雑談の機会も大切で、社員たちからいろいろなアイデアが出ることが多いという。確かに雑談の中だからこそ、生まれる柔軟な発想や面白い内容があるのかもしれない。

22000形の運転台の窓から顔を出す竹本社長(写真:銚子電鉄)

「経営状態がまずい」が発端に

次にネーミングだ。「まずい棒」などのユニークな商品開発はどのように行われたのか。

「まずい棒は、私のビジネスパートナーであり銚子電鉄のアドバイザーである実業家の寺井広樹さんが発案者。当初は本当にまずいものを作ろうと2人で試行錯誤した。2年ほど経った頃、寺井さんが、思い切って“経営状況がまずいにしませんか?”と。それはいいと思い“経営状況がまずい”が、キャッチコピーになった」

さらには、「合言葉は、まずい、もう1本。というイメージで販売した。販売開始は2018年8月3日の破産の日。破産は縁起が悪いので、“破産はいやいや”という語呂合わせで、18時18分にした。寺井さんとの二人三脚で、開発した商品だ」。

また、「“電車にのってほしいも”は、当時の社外取締役が考えた。“再建もなか”は、社員の発案。再建の最中だと社員が言ってこのネーミングになった」。

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