アップルは、NFCチップや通知システムなどの中核機能へのアクセスを自社製品やサービスに認めているが、ペイパルやガーミン・スマートウォッチのようなライバルにはこれを認めていない。
裁判が開かれるまでには数カ月かかるだろう。
音楽ストリーミングサービスでも「罰金」
欧州規制当局対アップル
3月4日、欧州委員会はアップルに対し、音楽ストリーミングのライバルがユーザーにキャンペーンや契約アップグレードを提供するのを妨害し、競争を阻害したとして18億ユーロの罰金を科した。
アップルは、開発者のiPhoneユーザーへのアクセスをコントロールする唯一のゲートキーパーであるため、ヨーロッパの規制当局は、アップルミュージックがスポティファイなどのライバルをユーザーが利用しなくなるような特典を提供できるように、アップルがApp Storeのルールを作ったと主張している。
「今後アップルは、音楽ストリーミングの開発者が自社のユーザーと自由にコミュニケーションできるようにしなければならない」と、競争政策を統括する欧州委員会のマルグレーテ・ヴェスタガー副委員長は述べた。罰金の規模について、「アップルの財力と、アップルの行為が何百万人ものヨーロッパのユーザーに与えた損害の両方を反映している」と彼女は付け加えた。
罰金の発表以来、アップルはスポティファイからのウェブサイトでのオファーをユーザーに知らせるよう要請を遅らせている、とスポティファイは述べている。欧州委員会は、アップルが命令に従わない場合、さらなる制裁金を課される可能性があるとしている。
韓国とオランダ対アップル
アップルはオランダと韓国の規制当局からの罰金にも直面している。
2021年、オランダの規制当局は、アップルが出会い系アプリ市場において、ティンダーなどのサービスがアップルの提供する決済システム以外の決済システムを利用することを妨げることにより、競争法に違反したとの裁定を下した。