また、ホモ・サピエンスの中にネアンデルタール人由来のミトコンドリアDNAがなかったことから、21世紀の初め頃は、彼らはサピエンス種と交わることなく絶滅したと考えられていました。
しかし、この結果は「次世代シークエンサ」による核ゲノム解析が可能になったことで、覆されることになります。2010年の研究で、ネアンデルタール人のDNAが現代人のDNAに流入していることが判明したのです。
ネアンデルタール人とサピエンス種
ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが分岐して以来交雑がないということであれば、両者が共有するDNAの変異はすべての現代人の集団で等しくなるはずです。
そうならないのは、サピエンス種の出アフリカ以後も交雑があったということ示しています。
超有名な化石人類「ネアンデルタール人」
ひさしのように大きく前に突き出た眉に、がっちりした体格で知られる「ネアンデルタール人」。2010年の研究で、サハラ以南のアフリカ人を除く、アジアとヨーロッパの現代人のDNAに約2.5%の割合でネアンデルタール人のDNAが流入していることがわかりました。
ホモ・サピエンスと分岐したのちに交雑がなかったとすれば、アフリカの集団も等しくDNAに痕跡が残るはずで、そうならないということは、サピエンス種の出アフリカ後に交雑があったことを示しています。
ネアンデルタール人と交雑していたサピエンス集団がいた!
ヨーロッパ人と東アジア人を比較すると、東アジア人のほうがわずかに多くネアンデルタール人のDNAを受け継いでいます。これは、ホモ・サピエンスが世界に拡散する初期の段階で、いくつかの集団に分かれて広がっていったことを示しています。
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