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原子力発電の安全に疑問符、能登半島地震の警告 志賀原発が稼働していたらどうなっていたか

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活断層の過小評価はないのか。地盤の隆起に耐えられるのか。

志賀原子力発電所の外観遠景
北陸電力(北電)・志賀原子力発電所。専門家は敷地横の海岸での地震性隆起の可能性を指摘。北電は否定(写真:共同)

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能登半島地震は、原発の安全性に改めて疑問を突きつけた。活断層の過小評価はないのか。地盤の隆起に耐えられるのか。
『週刊東洋経済』3月16日号の第2特集は「能登半島地震の警告」。検証すべき課題は山積している。

【配信予定】3月14日(木)    
能登地震で露呈、破綻した原発事故時の避難計画
3月15日(金)    
もしも石川・珠洲に原発が建設されていたら?
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元日の日本を襲った能登半島地震──。被害情報が伝わらず、岸田文雄首相が頭を抱えていたさなかの同日午後9時50分、内閣府と原子力規制委員会(以下、規制委)は、北陸電力(以下、北電)・志賀原子力発電所での異常事態を見据えて設置した原子力事故合同警戒本部を解散した。

緊急時に最も重視される原子炉の「止める、冷やす、閉じ込める」という機能が働いていることが確認され、気象庁が大津波警報を解除したことが理由だった。

一方、政府は地震発生直後、災害対策基本法に基づく震災対応の態勢としては最も下位の「特定災害対策本部」を設置。その後、被害の大きさが判明するに及び、翌1月2日午前9時に「非常災害対策本部」に格上げし、1000人規模の自衛隊投入に踏み切った。

政府が時間の経過とともに震災対応を強化したのとは対照的に、規制委は緊急対応の必要はないと判断し、志賀原発に関する警戒態勢を早期に緩めたのである。

通常原発で初の警戒事態

規制委による対応は、「原子力災害対策指針」(以下、指針)や「原子力災害対策マニュアル」などに基づいて定められている。

規制委の事務局を務める原子力規制庁は「ルールに従って適切に対応した」(吉野亜文総務課長)と説明する。しかし、志賀原発が重大事故に至らなかったのは、ひとえに稼働していなかったからにほかならない。

もしも同原発が稼働していたらどうなっていたか。検証すべき課題が少なからずある。

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