たかが「中学受験の塾についていけない」だけで「不出来な子」は早計な理由 親が学ぶ「親塾」で勉強法と子の心身を理解
「わが子に合う方法を知るためにも、学校や塾の話だけを鵜呑みにするのではなく、書籍やネット、動画などからまずは集められるだけの情報を集めるとよいでしょう。どれかを選んだ後も、それがわが子に合わないようならまた別の方法を試す柔軟さが大切です。塾も勉強法も、何も1つではありません。試す前から『この子はダメ』と決めつけるのは、もはやネグレクトです。前述の私の弟は、母から『兄貴ができるんだからあんたもできる。うちの血は賢い。今勉強ができないのは学校のせいだ』と聞かされていました。だからこそ、『勉強法さえ変えれば、東大に行ける』と信じて動けたわけです」
「この方法しかない」という思考パターンを抜け出すことは、親子それぞれの心の健康を保つうえでも有効だという。
「受験勉強で身につけるべきは集中力や忍耐力ではなく、できないときに工夫する能力ではないでしょうか。この方法がダメなら、別の方法を試してみる。その繰り返しの中で、自分に合った方法を見つければいいのです。子どもの勉強を見るとき、日本の親は『どれだけ集中できたか』とプロセスに注目しがちですが、重要なのは『結果を出せているか』です。
勉強も仕事も最終的に大事なのはパフォーマンス。いつも遊んでいる子がまあまあの成績を取ったら、親は「もっと勉強させればもっとできるのでは」と欲が出てしまうものでしょう。でも本人が勉強法を工夫して、遊びと勉強のバランスが合ったからこそかもしれません。世間一般で良いとされるやり方に合わせるのではなく、わが子が結果を出せる方法を見つけ出すために、親も情報収集を重ね、自ら学ぶ姿勢を大切にしてほしいと思います」
(文:安永美穂、注記のない写真: kapinon / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら