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ホンダ社長「テスラ・BYDが独走すると思わない」 「トランプさんが勝ってもEV戦略は変わらない」

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“脱エンジン”を掲げるホンダの三部敏宏社長を直撃した。

本田技研工業 取締役代表執行役社長 三部敏宏氏
三部敏宏(みべ・としひろ)/本田技研工業 取締役代表執行役社長。1961年生まれ。87年広島大学大学院工学研究科修了、本田技研工業入社。2014年に執行役員。19年本田技術研究所社長。ものづくり担当取締役を経て、21年4月から現職(撮影:梅谷秀司)

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ホンダが新EVブランド「ゼロ」シリーズを投入する。同社が「第二の創業」と位置づけるその真意とは。
『週刊東洋経済』3月2日号の第2特集は「ホンダ『ゼロ』の正体」。EV戦略の最新リポートや三部敏宏社長のロングインタビューをお届けする。
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──複数のホンダ幹部は「ゼロ」の投入を第二の創業と位置づけています。

ホンダは今、自動車、2輪車など2800万台くらいの商品を1年間に売っており、全部の商品にエンジンが付いている。

エンジンはホンダの特徴だが、カーボンニュートラルを目指す以上、エンジンが付いていてはいけない、ホンダのコアであるエンジンを捨ててでも変わらなくてはいけない、と考えた。それが2021年の(40年までの)「脱エンジン」宣言につながった。

変わらなくてはいけない。では、どのくらいのスピードで変わるのか。

私が社長に就任した3年前、EVシフトは加速しそうだと議論していた。そうであるなら、過去を引きずるよりはスパッと一回断ち切って、第二の創業という言い方でゼロからもう一回再スタートしたほうがいいと考えた。

勝負どころは2020年代後半

──それがゼロシリーズにつながっている、と。

商品だけではなく、会社全体を変えることを考えていた。ただし、まだ勝負の時ではない。これからずっと電動化の時代、カーボンニュートラルの時代が続くので、勝負どころは20年代後半くらいと見極めて準備を進めてきた。

──ホンダはいち早く、脱エンジンを打ち出しましたが、EV戦略がうまくいっているように見えません。

「日本の自動車メーカーはEVで出遅れている」とか「(脱エンジンを)言っている割には(ホンダから)何も出てこない」とか書かれたりしているが、焦ってはいない。ゼロシリーズもポッと発表したように思うかもしれないが、25年以降の勝負どころに向けて着々とつくっていたものだ。

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