84歳バフェット株主総会に4万人熱狂の理由 ビル・ゲイツも参加し一般株主におもてなし!

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驚異的なパフォーマンスだが、バフェット氏によると、資産の増えるスピードは後半の25年間のほうが速かったが、投資のパフォーマンスとしては、最初の25年間の方が、その後の25年間に比べてパフォーマンスが良かったという。理由は、後半の25年については複利効果が得られたため、資産の増えるスピードが速まったからだ。

「後継者レース」はどうなったのか?

現時点のパフォーマンスを見る限り、バークシャー・ハサウェイの経営は安泰のようにも見えるが、全く懸念がないわけではない。最大の懸念材料は、何といっても後継者問題だろう。何しろウォーレン・バフェット氏は現在84歳(8月30日に85歳)。パートナーのチャーリー・マンガー氏に至っては91歳(誕生日は1月1日)だ。

当然、株主としても最も気になる点だろう。実際、株主総会の場でも、この点に言及する質問があった。

これに対してバフェット氏は、こう答えている。

「私がいなくなった後、バークシャーのカルチャーが良く生き続けているかを確認したとしても、それに驚いてはいけない。われわれがいなくなった後、バークシャーのカルチャーが生き続けているのは、個性の力ではないことが明らかになるはずだ」。

要するに、バークシャー・ハサウェイは現時点において、バフェット氏やマンガー氏の力だけで成長しているのではなく、すでに権限移譲も進み、彼らが居なくなったとしても、存続し、成長を続けられることを、暗に述べている。

株主総会翌日の日曜日には5キロメートルの「マラソンイベント」も。バークシャーのイベントは」一日だけでは終わらない

マンガー氏は、2月28日に公表した毎年恒例の「株主への手紙」のなかで、今後の50年に向けて、バークシャーの再保険部門の責任者を務めているアジット・ジェイン氏と、エネルギー部門責任者のグレック・アベル氏を後継者候補として挙げている。

また、バフェット氏の息子であるハワード・バフェット氏については、実際の経営に当たるというよりも、バークシャー・ハサウェイの象徴という存在で、同社のカルチャーを維持していく役割を担うことになりそうだ。

ところで、冒頭の写真のように、株主総会の会場には、マイクロソフトの元会長であるビル・ゲイツ氏も来ていた。ゲイツ氏がバークシャー・ハサウェイの社外取締役であるのと同時に、ウォーレン・バフェット氏の遺産の大半を、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が運営する慈善事業に寄付する誓約をしているからだ。

バフェット氏は、この点についてこう言っている。
「これらのお金は、私には要らないお金だが、他の人には大変価値のあるお金だ」。

バフェット氏の個人資産は約727億ドルにものぼる。投資家としての生涯を通じて築いた資産を、自分がこの世を去る時までには社会へ還元する。たとえ額は違えども、こうした姿勢は誰もが学びたい点だ。

尾藤 峰男 独立系資産運用アドバイザー

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びとう みねお / Mineo Bito

びとうファイナンシャルサービス株式会社代表取締役。1978年早稲田大学法学部卒業、日興証券入社。1999年まで21年間在籍、英国やカナダ、豪州でも勤務。2000年独立し会社設立。金融機関から完全に独立した資産運用アドバイザーとして活躍中(投資助言・代理業登録、関東財務局)。著者に『いまこそ始めよう 外国株投資入門』『バフェットの非常識な株主総会』などがある。

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