「中学受験不合格」のわが子の進路選択に落とし穴、親が気をつける対応の中身 想定外の中学校を選ぶリスクと公立中の注意点

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ところが「一般動詞」の単元に入り、覚えるべき単語の数が増え、「三単現のs」の単元で文法が複雑化してくるあたりで、英語の点数を取れない人が現れ始めます。中学受験経験者であれば、少しくらい英語の授業のレベルが上がっても、小学生当時の学習習慣がそれなりに残っていれば無理なく理解できるでしょう。しかし、中学受験終了とともに勉強から解放され、せっかく身につけた学習習慣を失ってしまう子どもも多いのです。そうなると徐々に英語がわからなくなり、次いで数学が解けなくなり、国語の古文・漢文も苦手になっていきます。

【その2:「通知表」の成績をないがしろにしない】

中学受験経験者が地元の公立中に進学して注意すべきことの2つ目は、通知表の成績です。高校受験では、公立高校を受験する際も、私立高校の併願優遇の条件を満たすにも、通知表の成績を基にした内申点がかかわってきます。

内申点は「国語・数学・英語・理科・社会」の主要5科目だけでなく「美術・音楽・技術家庭・保健体育」の技能4科目の成績や提出物なども評価対象であり、各科目の担当教員が判断します。試験の点数だけで合否が決まる入試を目指してきた中学受験経験者にとっては、試験以外のすべてのことにも手を抜かずに取り組む必要があり、窮屈に感じるかもしれません。

【その3:安易に部活を選ばない】

中学受験経験者が地元の公立中に進学して注意すべきことの3つ目は、部活動です。中学校はどの部活を選択するかによって生活スタイルが決まると言っても過言ではありません。一般的に、公立は私立に比べてハードな部活動が多い傾向にあります。活動が盛んな運動部に入ると、朝早くから練習があり、土日も遠征試合があるなど、受験勉強のために塾に通う余裕がなくなります。文化部でも例えば吹奏楽部に入ると、休めないうえに中3の夏を過ぎても引退にならず、受験勉強との両立が困難になります。

小学校時代に中学受験勉強に専念するあまり、十分な体力をつけられていないままハードな部活を選択すると、中学に進学したとたんに練習ざんまいの日々で疲弊することになります。それはそれで有意義な中学校生活ですが、安易に部活を選んで後悔することのないよう、慎重に部活を選ぶことをおすすめします。

中学受験勉強の経験は、高校受験、大学受験、そして社会人になってからも役立ちます。どんな進路を選ぶとしても、中学受験勉強をしたこと自体すでに価値があるのです。わが子の人生をお子さん自身が切り拓いていけるよう、保護者は長期的な視野でサポートしてもらえたらと思います。

(注記のない写真:ふじよ / PIXTA)

執筆:教育・受験指導専門家 西村 創
東洋経済education × ICT編集部

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