中学受験で「コスパ」を連呼する親に欠ける視点、子を塾漬けにしない意識とは 10代の子どもから多くの「時間」を奪う危険性

中学受験勉強は子どもたちからたくさんの「時間」を奪う
中学受験指導スタジオキャンパス代表/国語専科・博耕房代表
著書に『中学受験で子どもを伸ばす親ダメにする親』(ダイヤモンド社)、『男子御三家 麻布・開成・武蔵の真実』『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(ともに文春新書/文藝春秋)、『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書/講談社)、『ぼくのかんがえた「さいきょう」の中学受験』(祥伝社新書/祥伝社)など。Xアカウントは@campus_yano
(写真は本人提供)
地方に比べれば児童数の大幅な減少が抑えられていた首都圏だが、これから先は年々減っていくと予測されている。しかしながら、首都圏の中学受験は依然として活況を呈し、今春(2024年度)の中学入試ではかなりの激戦が繰り広げられた。首都圏の児童数は減少している一方で、中学受験率は上昇しているという。子どもの数が少なくなければなるほど、子どもたちひとりひとりに手厚い教育を授けたいと望む保護者が増えているのだろう。あるいは「1人っ子」のご家庭では、良い教育環境を整えるためには出費を惜しまない保護者も多いのかもしれない。
あくまで中学入試の実質倍率動向からの予測にすぎないが、首都圏の中学入試で第1志望校に合格できるのは、男子で「約4人に1人」、女子で「約3人に1人」とされる。第1志望校合格のかなわない子のほうが圧倒的に多くを占めるという実に厳しい世界だ。

















