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国軍打倒だけでは戻らないミャンマーの民主主義 軍部に勝っても反政府側に足りない経験

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2020年1月4日土曜日、ミャンマーのネピドーで行われた独立記念日72周年記念式典で演説するミャンマー副大統領ミン・スウェ氏
独立記念日で演説するミャンマー副大統領ミンスエ氏(写真:アフロ)

独裁的な指導者が多くの国々で影響力を強める中、ミャンマーは刮目(かつもく)すべき例外となっている。軍事政権がどうやら持ちこたえられなくなってきているからだ。ミャンマーでは国軍総司令官ミンアウンフラインが2021年2月1日、選挙で選ばれた文民政権から権力を奪い取ったことで内戦が勃発。以来、若者、少数民族武装勢力、民主派指導者、軍政に反発する国民が闘争を続けている。そして国軍に抵抗する武装組織は、ここに来て戦地で次々と勝利を収め、紛争の潮目を変えつつある。

だが、国軍を打ち負かすことと、民族的な緊張を抱えた国で民主的な正統性を備えた多元的な国家を再建することの間には、かなりの違いがある。さらにミャンマーの凄惨な内戦は、国軍が首都ネピドーを含む主要都市の周辺で最後の抵抗を続ける中、何カ月にもわたってだらだらと続く可能性もある。

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