ファストファッションのオンライン小売り大手SHEIN(シーイン)は、米国での新規株式公開(IPO)を来年にも実施できると投資家らや政治家を納得させるため多くの取り組みを行う必要がある。
シンガポールを本拠とする同社は、米株式市場への上場を非公式に申請したと事情に詳しい関係者が明らかにした。ブルームバーグ・ニュースは数週間前、IPOで900億ドル(約13兆3000億円)の企業評価額を目指す可能性があると報じていた。
史上5番目に大きな消費者企業の新規株式公開に
仮に10%の株式をIPOの対象とし、評価額900億ドルで約90億ドルを集めた場合、ブルームバーグの集計では、ドイツのスポーツカーメーカー、ポルシェの2021年上場規模(91億ドル)に次ぐ、史上5番目に大きな消費者企業IPOとなる。
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ただ、そこに至るまで、シーインは懐疑的な投資家や政治家、監督当局から同社を巡る論争は成長の障害ではないと理解を得るよう取り組んでいかなければならない。
シーインの製品には中国国内での強制労働によって栽培された綿花も使われているという疑惑があるほか、中国企業の米上場に対する規制上の懸念や競合するPDDホールディングス傘下のティームー(Temu)との反トラスト法(独占禁止法)を巡る激しい法廷闘争といった問題にも直面している。