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ソ連要人と関係を結ぶきっかけは「手紙」だった 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿㊲

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筆者とモスクワ国立大学哲学部科学的無神論学科で同級生だったサーシャ(サーシャは愛称で、本名はアレクサンドル・ユリエヴィッチ・カザコフ、現在は政治学者でプーチン与党の「公正ロシア」幹部会員〈非議員〉)が、要人と知り合うコツについて教えてくれたことがある。

「共産党中央委員会やソ連最高会議で地方から要人が訪れてくるだろう。そのときを利用して、ロシア・ホテルに手紙を届けるんだ」

ロシア・ホテルは「赤の広場」に隣接する巨大なホテルで、普段は外国人観光客を泊めて外貨を稼いでいるが、共産党や最高会議の行事が行われるときは議員(代議員)宿舎になる。

「サーシャ、手紙には何を書けばいいのか。会いたいと書けばいいのか」

「それだけでは相手から返事が来る可能性は低い。マサルが関心を持つクラスの政治家ならば、新聞か雑誌に寄稿をするか、インタビューに応じているはずだ」

「確かにそうだ」

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