JR西、学生向け鉄道インターンの「熱い5日間」 電気・車両などの「普段見えづらい」鉄道現場を体験

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現場での体験を終えると、各班に分かれてディスカッションを実施。インターンシップの初日にはあらかじめ分けられた班内で期間中に検討するテーマを個々に定めており、この時間帯ではそのテーマに精通した、学生と比較的年齢の近い社員がディスカッションに入り、忌憚のない意見の交換を行った。

技術系の職場は女性の割合が低く、女性の参加者からは「女性が少ない現場でどのように働いているのか」といった質問や、中には「昼食はどのようなものを食べているのか」、「異動で技術職を離れた後、どんなキャリアアップが期待できるのか」など、学生自身が就職に対して抱える悩みを現職員にぶつけた。

業務体験後に行われたディスカッション。女性の参加者がいるところには女性社員を、といった風に、適切な現役社員を交えて実施(写真:村上悠太)

文系の学生も参加

今回は「関心があれば参加OK」だったため、土木、電気などを専攻している学生に交じって、文系の学生も少なくない。しかし、「技術は入社後の研修でしっかり学べると聞いているので、そこまで不安ではない」という心強い言葉を口にする学生も少なくなかった。

今回のインターンシップを企画した、JR西日本中国統括本部経営企画部の嘉松咲希氏は「現場の協力がなくては実施できない企画だったが、電気・車両・施設とも前のめりで本企画に協力してくれた」と語る。

また、「今回のインターンシップによって弊社への就職希望数が増えてくれるのは本望だが、それ以上にJR西日本へのファンを増やしたいという思いもあった。新型コロナの影響の渦中で、採用人数を絞らざるをえなかった期間があったが、鉄道業を維持していくうえで、次世代の担い手は確実に必要。乗務員などの運輸系の職種に対し、一般の利用シーンでは見えづらい技術職はどうしても仕事の内容が想像しづらく、積極的にその分野に手を挙げてくれる方は多くはない」と続ける。

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