JR西、学生向け鉄道インターンの「熱い5日間」 電気・車両などの「普段見えづらい」鉄道現場を体験

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また、屋根上の検修通路では、架線から電気を取り入れる「パンタグラフ」の構造と検修作業を解説。「このでかい箱は何だと思いますか?」「クーラーですか?」「正解!」という感じで、社員と学生が打ち解けて交流するシーンも増えてきた。そうした光景は昼食時にも見られ、気取らない雰囲気もこのインターンシップの特徴のようだ。

午後は227系電車とキハ120形気動車を使用して、実際の運転機器やドア、放送装置、警笛の取り扱いを体験。職員立会いの下、車両が走行できない状況下で行われているとはいえ、そこにあるものは本物の車両と運転装置。貴重な体験の連続に、この日最も学生の目が輝いた瞬間にも思えた。その後は観光列車「etSETOra(エトセトラ)」と支所内の信号と管轄する「信号所」の見学が行われた。エトセトラについては旧型の車両を改造して製造されたことから、その技術などの解説も行われ、なかには「観光列車による、地域振興を行いたい」と話す学生も。極めつきはエトセトラに乗ったまま、所内を入換走行するという乗車体験で、レアな体験に喜びの声が車内を包んだ。

観光列車「etSETOra」を使用して行われた場内入換走行の乗車体験(写真:村上悠太)

就職先としてリスクに感じないか?

学生たちの話を聞くと「運輸系統を目指していたが身体的な適性からその道に進むのが難しく、技術系統に関心を持った」、「施設の世界に興味がある。鉄道駅や路線を基点とした大規模な都市開発や街づくりに取り組むことができるのが鉄道会社の魅力」との意見が聞かれた。

また、かつては公務員同様にまさに安定した職業の代表格ともいえる鉄道業界だったが、コロナ禍で未曾有の経営状況になったことを受け、就職先としてリスクに感じないか、と問いかけると「確かにそうした面もあるが、それでも社会生活の中に欠かせない存在」という意見も多く、「日常を支える」という職務に意味を見出している学生の姿もあった。

参加した学生のノートにはびっしりとメモが。文系の出身ながら電気系統の業務に興味があるそうで、「インターンシップが楽しすぎて1日があっという間に過ぎます。大学での専攻とは異なる業種ですが、入社後の研修がしっかりしているので、そこでしっかり学べれば」と話す(写真:村上悠太)
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