ウルフパックの標的?Q&A投稿サイトの経営騒動 OKウェイヴ経営陣と敵対、謎多い7人の個人株主
「本株主」とは大株主の公益財団法人「こどもの未来創造基金」を指す。同基金の理事長である佐藤悠大氏(38)は、大学在学中に起業した会社の売却資金を基に、今では事業投資を手広く行う。
佐藤氏個人と基金、さらに佐藤氏が株主で顧問を務めるシステム開発会社の3者合計で、OKウェイヴ株を16・55%保有する(7月10日時点)。基金が持つOKウェイヴ株は佐藤氏が寄付したものだ。佐藤氏は昨年6月に杉浦氏の友人の勧めで同社株を購入、杉浦氏の経営権奪取を支援した。
だが今年になり、運転資金に窮したOKウェイヴからの貸し付け依頼に対し、佐藤氏の示した条件をめぐって、杉浦氏との関係に亀裂が生じた。佐藤氏が取締役の過半の選任権を求めたことが原因だった。
杉浦氏ら経営陣が「法違反の強い疑いあり」としたのは、7人の個人株主がOKウェイヴ株を買い進め、7月に7人合計で約9%を保有したことに対してだ。焦点は、この7人、もしくは基金などを通じた佐藤氏と7人が「共同保有者」に該当するかどうかだ。
共同して株式を取得したり、議決権を共同で行使したりする(株主総会で賛否を投じる)ことで「合意」している場合は、共同保有者になる。金融商品取引法では5%以上の株式を取得した株主は、財務局に5営業日以内に届け出なければならない。これは共同保有でも同じだ。
杉浦社長のいう‟状況証拠”とは
現状、共同保有者として届け出があるのは、佐藤氏と基金、佐藤氏が顧問を務めるシステム会社の3者のみ。7人については共同保有者としての届け出はない。
杉浦社長は東洋経済の取材に、7人の株主、もしくは佐藤氏と7人が「合意」していることを証明するものはないと話す。ただ、‟状況証拠”はいくつかあると主張する。その1つが7人から郵送され、7月18日に一斉に届いた書面だ。
OKウェイヴはこの頃、債務超過を解消する目的で借金などの債務を株式に切り替えてもらうデット・エクイティ・スワップ(DES)の実施を公表、臨時株主総会に諮る予定だった。
だが、当時の株価の6割程度で新株を発行するDESの条件に7人が反対を表明。さらに株主の提案する取締役を追加するよう求めた。結果、現経営陣はDESの条件変更を迫られた。
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