ウルフパックの標的?Q&A投稿サイトの経営騒動 OKウェイヴ経営陣と敵対、謎多い7人の個人株主
杉浦氏は、7人の書面が言葉の使い方は違っていてもほぼ同じ内容であったことに違和感を示す。しかもDES実施の公表後、7人全員が持ち株数ゼロの状態から株を取得している点も不可解だと指摘する。後に反対するのであれば、買わなければよかったのではないかという理屈だ。
これらの状況証拠から、杉浦氏は弁護士と相談のうえで「強い疑い」と説明資料に記載することにした。
なお、8月1日に佐藤氏は基金を通じて新たな取締役5人を追加する株主提案を送付した。ただ、「株主であることを証明する書類の有効期限が切れており要件を満たさなかったため」(杉浦氏)、定時株主総会の議案には上げられていない。
一方、疑惑の目を向けられた佐藤氏は憤懣やるかたない。冒頭で紹介した杉浦氏ら現経営陣を痛烈に批判する文面は、この佐藤氏がまとめた反論資料に記載されている。
資料では、OKウェイヴの株価の下落が続いていることを問題視。「私の望みは『会社の価値を上げてほしい』の一点につきる」と訴える。杉浦氏に社長を続けてもらったうえで、株主の意図をくみ取る取締役の増員を求めているだけであり、「経営権はマストではない」と説明する。
佐藤氏いわく「7人との合意はない」
7人の株主との合意はあったのか。東洋経済が尋ねると、書面回答で「まったくない」と否定した。
佐藤氏によると、6月前半から複数の株主を訪問し、OKウェイヴ株を自分に売ってくれないかと持ちかけていた。その際、DESについて話題を振ると実施に反対する株主が多かったという。その中で実際に反対表明の行動に移したのが7人ではないかとする。なお7人のうち2人は面識があった。「OKウェイヴへの投資に関する愚痴を聞いてもらう間柄だった」そうだ。
定時株主総会の2日前となる9月26日。OKウェイヴは、新たな社外取締役の候補としていたうちの1人が候補を辞退したと発表した。アドバイザリー契約を結び、マーケティングや新規事業開発に関する助言を行ってもらうというので、関係が切れたわけではないが、あまりにも急な変更だ。
開示資料には理由が「一身上の都合」としか記されていない。しかし、この候補は9月初旬に杉浦氏、佐藤氏の仲立ちをした際、佐藤氏の意見に理解する姿勢を示していたとされる。
ウルフパック疑惑については、佐藤氏の説明だけをもって完全に「シロ」とするにはまだ説得力に欠ける。ただ、杉浦氏ら現経営陣に完全に理があるとも言いがたい。9月28日の定時株主総会を無事乗り切ったとしても、波乱は収まりそうにない。
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