「将来どんな仕事に就きたいか」を考える前にやれること
そんな中で、今回の記事では皆さんに、総合型・学校推薦型選抜入試の対策としてご紹介したい方法の1つである、「生徒が、自分の知らない業種の人から話を聞く機会を設ける」という方法をお話ししたいと思います。
前提として、生徒は、社会のことを知る機会がほとんどないですよね。学校に通っているだけでは、先生以外の大人と交流することって本当に少ないと思います。職業体験かバイトくらいでしか、大人とは絡まないのではないでしょうか。
なので、「社会で仕事をしている人が、どんな仕事をしているのか?」ということについてきちんと理解している職業といえば、学校の先生と自分の親の職業くらいなのが実情ではないでしょうか。
しかし、総合型・学校推薦型選抜入試では厄介なことに、大学の先生から「あなたは将来、どんな仕事に就いて、どんな活動がしたいですか?」という質問をされてしまいます。
皆さん、おわかりだと思いますが、やはりこの質問に対する回答をする際に、「そもそも社会にはどんな仕事があるのか」がわかっていない状態というのは、致命的な情報のディスアドバンテージになってしまうことがあります。
岡山大学准教授の中山芳一先生は、こうした経験を「学校での各科目の勉強にとらわれない、非科目型の勉強」と呼んでいます。英語や国語といった科目の勉強ではない能力が求められるわけですね。
この前提を踏まえて、今回僕が実験的にやってみたのは、「アニメのプロデューサーから話を聞いてみる機会を設ける」ということでした。
オンライン学習塾を運営する企業、リザプロと提携してアニメ制作のプロデューサーさんを呼んでワークショップをしてもらうイベントを実施してみたのです。誤解しないでいただきたいのは、このイベントは「アニメのプロデューサーになりたい人に向けたイベント」ではないということです。
日本の文化としてのアニメや漫画コンテンツを海外に「輸出」していくことは、これからの時代どんどん必要になってきます。学生たちの中にも、「国際系の学部に行って、日本文化をどんどん広めていきたい」と考えている人も多いです。でも、そのアニメや漫画がどのように作られているのかって、実はあまり知られていないんですよね。