5年前に経営危機に陥り、主力事業の売却を余儀なくされたソフト開発会社が再成長に挑もうとしている。
再建で最優先したのは「製品開発」
――会社の現状は?
今期(2023年6月期)は連結ベースで約5億円の営業黒字となる見込みで、再建フェーズは終わった。大企業を中心にデジタル化やペーパーレス化が進んでおり、当社の手がける会計を中心としたERP、グループウエアとも伸びている。再成長の軌道に乗ったという手ごたえを感じている。
――HR部門を分離した後は厳しい業績でした。
当時は会計とSCM(サプライチェーンマネジメント)領域の新しいERPを開発中で、顧客に迷惑をかけずに開発を完遂するには、主力事業の売却しか道がなかった。
会計の1号案件を2020年2月に、SCMの1号案件を2021年4月に無事リリースした。より簡単に導入できるSaaS型の新製品も発表した。当初は開発費が先行して苦しかったが、製品の軌道化とともに赤字は縮小した。
事業売却で得た資金で200億円超の借入金を全額返済した。また製品開発の遅延で抱えていた2件の訴訟も、2022年6月期中に解決できた。当初から再建に5年かかると思っていたが、ほぼ想定どおりに進められた。
――再建ではさまざまなことを行わなければなりません。どのように優先順位を付けたのですか?
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