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寄付文化をけん引する富裕層、新潮流は独自基金 資産数十億円以上の超富裕層は財団設立が王道

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富裕層は基金設立に動き出し、ふるさと納税拡大にも寄与している。

諸橋近代美術館の外観
福島県の裏磐梯にある諸橋近代美術館はゼビオの創業者が設立した(写真:アフロ)

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優雅に達観した生活を送っているように見える富裕層。ただ陰では投資や税金対策に頭を抱え、時にもがき苦しむ様子が垣間見える。6月19日発売『週刊東洋経済』の特集「富裕層のリアル 国内150万世帯、受難の時代」では、富裕層の偽らざる実像に迫った。
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欧米に比べ、寄付文化が根付いていないといわれてきた日本。一方で、最近では災害やコロナ禍で困窮する人たちに対し、著名人らによる寄付が話題になるなど身近な存在になりつつある。

では、富裕層における寄付の世界とはいったいどのようなものか。王道とされるのが、ファミリー財団の設立だ。芸術家サルバドール・ダリのコレクションで有名な諸橋近代美術館(福島県)は、スポーツ用品大手ゼビオホールディングス(HD)の創業者、諸橋廷蔵氏が設立した公益財団が運営する。

諸橋氏は自ら収集した美術品を展示する美術館を造り、1999年に用地とともに公益財団に寄付した。長男の諸橋英二氏が2代目理事長を務める同財団は現在、ゼビオHDの2位株主でもある。オーナー系上場企業では、ニトリHDとキーエンスのいずれも第4位株主が創業者設立の奨学財団だ。

基金は2週間で設立可能

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