有料会員限定

岸田首相長男の更迭で高まる「行為規範」の必要性 首相や大臣の補佐者の行動範囲を明確にすべき

✎ 1〜 ✎ 405 ✎ 406 ✎ 407 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

岸田首相の長男が秘書官を辞職した。日本も首相・大臣の補佐者の行動範囲を明確にすべき時期だ。

岸田文雄首相と長男、翔太郎氏
岸田文雄首相(左)の長男、翔太郎氏(首相の右隣)は6月1日に秘書官を辞職した。写真は5月11日撮影(写真:共同通信)

物議を醸した岸田文雄首相の長男、翔太郎氏が首相秘書官を事実上更迭された。直接の理由は、一族のパーティーを首相公邸で開き、組閣時の集合写真を撮る階段に親族を案内していたことにある。緩んだポーズの写真とともに『週刊文春』にスクープされた。

国民からの批判が強く、G7(主要7カ国)広島サミットの成功で上向いた内閣支持率が下落し、通常国会終了後の衆議院解散の雰囲気は急に薄れ始めた。

しかも、この件の続報では、岸田首相が夫人とともにパーティーの中心にいたかのような写真が流出した。翔太郎氏が問題ではなく、首相自身が緩んだ親族パーティーを主催していたかのようだった。

そこで政権は、次の論理で事態を整理しようとした。首相がいたのは、公邸の「私的スペース」で日常生活を送る場であって、そこでの振る舞いには問題はない。だが、翔太郎氏は集合写真の階段という「公的スペース」に入った点で、更迭に値するというのだ。

次ページ09年・12年の政権交代で権力行使のスタイルにも変化が
関連記事
トピックボードAD