防衛費拡充や少子化対策の財源をどう確保するか。時間稼ぎ目的のつなぎ国債に問題はないのか。
サダム・フセイン率いるイラクが隣国クウェートに攻め込んだ。1990年8月のことだ。国際社会は直ちに反応。日本も対応を問われた。
機密指定が解除された当時の資料を読むと、米国は日本に強い圧力をかけていたことがわかる。例えば、侵攻から2週間も経たない8月13日、ジョージ・ブッシュ大統領(父)は海部俊樹首相に電話をかけ、慇懃(いんぎん)無礼な態度でこう要請している。
「日本が実施可能な経済的・軍事的な支援を、できるだけ多く行ってくださることをお勧めする」(ホワイトハウス作成の日米首脳電話会談記録、ジョージ・ブッシュ大統領図書館所蔵)
日本は、その後の紆余曲折を経て、90億ドルを負担することになった。名目はイラク軍を追い出すために組織された多国籍軍への経済的支援。
問題は財源だ。法人税や石油税の増税などで対応することは決まったが、税収が入ってくるタイミングは年度をまたいで先になる。そこで考案されたのが「つなぎ国債」だった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら