学級会とどう違う?深見太一「クラス会議」で学級経営がうまくいく理由 心理的安全性の高いクラスづくりのポイント
注意や叱責はその場では有効かもしれませんが、子どもの心の奥底には響かず長期的な効果はあまりないと考えています。先生は立場上、子どもたちに「教えなきゃ」「指示しなきゃ」という思考に陥ってしまいがちですが、その“鎧”を脱ぎ、「子どもたちと対等であろうとする」「子どもたちを信じて任せる」といったマインドが、学級経営には非常に大切だと思います。
また、「クラス会議をやる」と決めたら1、2回やってみてうまくいかなくても、そこで諦めず、「みんなで輪になって座れない場合は席が近い4人で輪になる練習をしてみる」「議題が出ない場合は議題を出す練習から始めてみる」など、スモールステップを意識して取り組むとよいと思います。
――深見さんは、クラス会議の実践や先生が前向きになれる考え方などをSNSで積極的に発信していらっしゃいます。SNSでは教員のネガティブな声も目にしますが、どのようにお感じになりますか? 教員養成にも関わるお立場からも、メッセージをお願いします。
子どもの成長に直接関わる教員の仕事は本当に魅力的でやりがいがありますが、その一方で、労働時間や人員不足などさまざまな問題が顕在化してきているのは事実ですし、何としても改善していく必要があると思っています。
私自身も、教員時代は苦しかったこともたくさんありましたし、今このような状況の中で、多くの教員が自身の苦しさや理不尽さをSNS上で発信することに対して否定するつもりはまったくありません。しかし、すべての教員がネガティブな発信を行っているかというと決してそうではなく、ICTの活用法など教員の仕事術、授業のノウハウ、教員としての心の持ち方などをポジティブに発信している教員も多く存在するのも事実です。
私は教員時代からTwitter、YouTubeなど実名で教育への思いや大切にしていることなどを発信し、保護者の方からもチャンネル登録してもらったり、ツイートを見てもらったりしてきました。SNSで実名で発信することで、教員はもちろん保護者の方にも「この先生はこういう考え方をもっている」と知ってもらえるのは、非常にありがたいことだと思います。
教員の“光と影”、どちらの側面をどのように捉えていくのかを判断するのはご自身ですが、これから先の長い人生を少しでも楽しく送るためにも、個人的には、ポジティブメッセージを発信している教員とつながって、一緒に学んでいければと思います。その姿がゆくゆくは、目の前の子どもたちに反映されるのですから。
(企画・文:長島ともこ、写真:深見氏提供)
東洋経済education × ICT編集部
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