加賀市教育長・島谷千春、脱一斉型で「子ども主体の授業」じわじわ増やす仕掛け 「Be the Player」掲げる教育ビジョンの本意
まずは、教科担任制のため、小学校と比べると教科横断的な教育の系統化が難しい側面がある中学校の校長先生や、STEAM教育につながる総合学習、技術を担当されている先生方一人ひとりの思いを丁寧にヒアリングさせていただきながら構造整理を行い、『加賀市が目指すSTEAM教育とは何か』を言語化していく取り組みを行いつつ、小中一貫STEAMプログラムを検討していきます。また、先生方は日々目の前の仕事に一生懸命取り組むあまり、時に学校内での業務の重複も見受けられます。その部分も整理し、働き方改革にもつなげていきたいと思います」
寺西氏はこう続ける。
「教育ビジョンの4つのプロジェクトは切り分けられているのではなく、地続きです。『誰一人取り残さない』が基本にあり、これを実現するためには『学びを変える』=個別最適な学びと協働的な学びが大切で、その後は児童生徒一人ひとりが主体的に『未来は自分で創る』活動が必要で、それがSTEAMや探究活動に行き着く。このようにプロジェクトを有機的につないでいくことが求められています」
島谷氏も続く。
「小中あわせて23校というのは、一致団結に適した規模感。市内の学校訪問も車でどの学校も15分くらいで行けるため、1日に4校回ることもあります。校長先生、教頭先生、教務主任、現場の先生と小まめに会話ができる距離感で、学校のコンディションを肌で感じることができます。子どもたちの今も未来も幸せにするために、加賀に住む人たちが『うちの町の教育はすごいんだぞ』と誇れるような学びの改革を、地域の皆さんと一緒に進めていきたいですね」
「そろえる教育」から「伸ばす教育」へ。加賀市の教育の進化が期待される。
(企画・文:長島ともこ、注記のない写真:東洋経済撮影)
東洋経済education × ICT編集部
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