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「カネ貸し」は、かつては人気がない職業だった。もっと率直に言ってしまえば、疎(うと)まれていた。
シェークスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に登場するカネ貸しのシャイロックは、返済できない人から、その人肉を抵当に取ろうとする。無慈悲で強欲な男──。それがカネ貸しのイメージである。利子を取る行為を禁止した宗教も少なくない。
ところが「現代のカネ貸し」である銀行は、「立派な企業」というイメージが定着している。
そんな歴史的逆転の起源はわからない。だが、どんな手法でイメージを覆し続けているのか、その一端は垣間見ることができる。
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