物的な資本と同じように、人材も教育や職業訓練という投資によって価値が高まる。それを示す言葉が「人的資本」だ。
一国の人的資本水準の向上はGDP(国内総生産)や平均賃金を引き上げることが知られている。よって、人口減少と賃金低迷に直面している日本が人的資本のさらなる向上を目指すのは当然だ。
岸田文雄政権も「人への投資」の促進を重点施策とし、人的資本向上に注力しようとしている。そこで職業訓練に絞ったうえで、筆者が考える留意点を2つ指摘する。
難しいスキルの評価法
まず、基本的なポイントとして、訓練の最も有効な方法が確立しているわけではない点を強調したい。そもそも、スキルの高さを測定し評価すること自体が容易ではない。
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