「システム化」の力、自閉症は発明を促してきた 『ザ・パターン・シーカー』書評

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『ザ・パターン・シーカー 自閉症がいかに人類の発明を促したか』サイモン・バロン=コーエン 著
ザ・パターン・シーカー 自閉症がいかに人類の発明を促したか(サイモン・バロン=コーエン 著/篠田里佐 訳/岡本 卓、和田秀樹 監訳/化学同人/2640円/328ページ)
[著者プロフィル] Simon Baron-Cohen/英ケンブリッジ大学心理学・精神科教授。ケンブリッジ自閉症研究センター長を兼務。600本を超える科学論文を発表した自閉症研究の第一人者。有力な学説、「マインドブラインドネス理論」などを提唱。

自閉スペクトラム症という言葉ができたのは2013年のことだ。それまで自閉症やアスペルガー症候群などの名称で呼ばれていたものを、統合して生まれた言葉だ(以下本稿では単に「自閉症」と記す)。

社会的コミュニケーションが苦手であること、特定のものごとに強いこだわりを示すことなど、いくつかの特徴が挙げられている。スペクトラムという言葉が示すとおりその症状や程度は人によって大きく異なり、なかなか把握が難しい概念でもある。

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