やっぱり日経平均株価の「3万円回復」は難しい ようやく今年の株価の高値と安値が見えてきた
レンジを微修正したが、この戻り相場で今年の高値をつけるとの想定は不変だ。今後3月末までに2万8000円を越える可能性も残しているものの、2月6日のザラバ高値2万7821円、終値では2月16日の2万7696円が今年の高値となる可能性もある。
上下の範囲を上方へと修正した理由は?
では、想定どおり上値が重い中で、なぜ上下ともレンジを引き上げたのか。最大の理由は為替(ドル円相場)だ。1ドル=139~140円の円安に向かう可能性が残っているとみるからだ。
私は為替の専門家ではない。だが、昨年2022年9月22日に1ドル=145円台に突入した際は「円安の副作用が問題視される中、岸田政権としても150円以上の円安を容認することはできない」と考え、「150円前後ではいつ介入があってもおかしくないし、効果はある」とTV出演時や動画配信などで述べていた。
そのため、実際、1ドル=151円台突入時での政府・日銀の円買い介入(昨年10月21日。24日にも介入)には驚きはなかった。結果は10月21日を起点に急速な円高となった。
しかも、昨年2022年12月20日には黒田東彦日銀総裁が、10年国債金利の変動幅の上限を0.25%から0.5%に拡大した。マーケットは事実上の利上げと受け止め、1日で137円台から130円台まで7円もの円高となった。1月16日には127円まで円高が進んだ。
その後、日銀は今年1月17~18日の金融政策決定会合で緩和縮小見送りを決定した。この結果、いったんは円高一服、株価反発となった。まさに前回の予想「2~3月まで円安株高のリバウンド相場に移行する可能性」の通りとなった。
私は、為替は再度127円台を目指して円高方向に向かうとみているが、短期的には151円から127円の下落幅の半値戻し水準である139~140円はあってもおかしくないと見る。なぜなら当面、為替を変動させるイベントがないからだ。
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