2023年は市場急拡大? XR機器が伸びる3条件 最初の波は2016年、新製品発売で再び沸騰か

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これまでなかなか普及が進まなかったVRなどの機器。身近になる条件とは。

ソニーのPSVR2
ソニーは2月22日にPSVR2を発売するなど、XRに対する注目が高まっている(編集部撮影)

2023年は、再びVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった、XRに大きく注目が集まる年になるかもしれない。

「VR元年」と呼ばれた最初の波がやってきたのは2016年のこと。電子部品の価格低下に加え、ディスプレイやセンサー技術の向上が進み、フェイスブック(現メタ)によるVR機器「オキュラス」シリーズの発売や、AR機能を搭載した「ポケモンGO」などに注目が集まった。

XRの知名度は大きく上昇したものの、その後は爆発的に広がるには至らなかった。普及が進まなかった原因のひとつが、機器が未熟だった点だ。データを送るスピードが遅く、頭を動かした際の三半規管の動きと、目で見ている映像の動きがずれることで、いわゆる「VR酔い」が発生しやすかった。機器の重量も600グラム程度のものが多く、重くて長時間の装着が難しかったり、ゲーム以外の用途があまり開拓されていなかったりしたことが課題だった。

調査会社のIDCによると、2016年のVRとARを合わせたヘッドセットの世界出荷台数は前年比4.7倍の919万台。だがその後は右肩下がりで、2019年には2016年比で約4割減の562万台にまで減少した。

ただ、コロナ禍を経て工場への遠隔指示といった使い道に注目が集まった。2020年からは市場が再拡大している。VRをワクチン接種のためのトレーニング機材として使ったり、新入社員のトレーニング向けに導入したりといった具合に、新たな用途も発見されている。

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