アフリカ「日本人残留児」の問題に光を当てる 『太陽の子』『フリチョフ・ナンセン』など書評4冊

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ブックレビュー『今週の4冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』

・『フリチョフ・ナンセン 極北探検家から 「難民の父」へ』

・『江戸一新』

・『〈怪異〉とミステリ 近代日本文学は何を「謎」としてきたか』

『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』三浦英之 著
『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』三浦英之 著(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・東京大学特任講師 華井和代

「コンゴでの日本企業の鉱山開発に伴って日本人男性と現地女性との間に生まれた子どもを、日本人医師と看護師が毒殺していたことを報道したことはあるか」

SNSに届いた1通のメッセージの真偽を追究した、朝日新聞のアフリカ特派員によるルポルタージュである。

日本人残留児の問題に光を当て「嬰児殺し」の真偽に迫る

1960年代から80年代にかけて、非鉄金属大手の日本鉱業はコンゴ民主共和国で銅鉱山を開設した。この鉱山は紛争と経済の悪化によって閉鎖に追い込まれたが、その後、日本人鉱山労働者と地元女性との間に生まれた50〜200人の子どもたちが母と共に置き去りにされたという。しかも同じ時期、嬰児(えいじ)の組織的殺害が行われていたと2010年に外国メディアが報じた。

コンゴと日本の関係者を粘り強く取材し信頼を築いた著者は、大きな不条理とメディア報道の真偽問題に直面する。

次ページ『フリチョフ・ナンセン 極北探検家から「難民の父」へ』
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