平成の｢制服カルチャー｣令和に見る新しい潮流 他校のスクバ人気など平成から続くトレンドも

実は今でもなお、平成の女子高生の間で流行っていた「他校のスクールバッグ」には一定の人気がある。

メルカリやオークションサイトを覗けば、まるで1990年代後半のような「使い込んだスクールバッグ」が定価以上の値段で取引きされていて、ほぼ売れ切れの状態だ。

手に入りにくくなればなるほど、余計に欲しくなるのは人間の性だが、そこに「スクールバッグ」がいまだに含まれているのは興味深い。

1990年代後半は、日本全国の女子高生たちが都内の有名高校のスクールバッグを知り合いや人づてを頼りにあの手この手で買い求めたが、令和のいまは、横浜高校や「工大」こと東北工業大学高等学校（現・仙台城南高等学校）など、地方の有名校のスクールバッグに人気が集中し、メルカリでも売り切れが続出している。

令和で人気のスクールバッグ。横浜高校（右）や東北工業大学高等学校（左）のスクバも人気（写真：筆者提供）

また「EASTBOY（イーストボーイ）」でも、横浜高校のサブバッグのようなショルダータイプのスクールバッグが人気だ 。

このほか、地方都市の女子高生の間では定番のハーフジップのトップスといった着こなしも、都内の女子高生にも取り入れられて人気を得ている。

平成の頃のように東京の制服カルチャーが全国に波及するのではなく、地方と東京の制服カルチャーが、互いに影響し合っているところを見ると、時代の流れを感じる。

自由に着こなす令和の女子高生たち

また現代は良くも悪くもSNSを通じてみんながさまざまな意見を言いやすくなったことで、大きな変化が見られるようになった。

先に述べたように、令和では学校の校則を除けば、平成初期のように誰もがみな同じ着こなしをする「女子高生の定番」ではなく、「自由な選択肢」から思い思いに選べるようになった。

ここ最近は、女子生徒用の「スラックス（ロング丈のボトムス）制服」を導入する学校が増え、より選択肢の幅が広がった。女子高生向けファッション雑誌『Seventeen』のWebサイトでも、「スラックス制服」をかわいく見せるテクニックが紹介されており、「スラックス制服」も定番の制服になっている。

靴もローファーからスニーカーへ。スクールバッグも定番だった「肩はずし持ち」から、機能性を重視したリュックへと変化するようになった。