JAL対スカイマーク「地方路線」争奪、異例の延長戦 「ドル箱」羽田の発着枠獲得へ正念場を迎える
JALとスカイマークの「地方路線」争奪戦が異例の延長戦に突入している。2社が狙っている客層は明確に異なるが、「ドル箱」の羽田空港発着枠を獲得するのはどちらか。
どちらに軍配が上がるのか。羽田空港の発着枠獲得に向けた日本航空(JAL)と、スカイマークの争いが正念場を迎えている。
羽田空港の国内線の「政策コンテスト枠」は、地方路線の活性化策について航空会社と就航先の自治体などが共同で国土交通省に提出し、有識者の評価などを踏まえて発着枠が割り当てられる仕組みだ。
国交省が2019年に募集した5枠に対して、2020年5月に「全日空(ANA)-鳥取空港(鳥取県)」「全日空(ANA)-石見空港(島根県)」など4枠が決定した。
この中で、「異例の事態」と多くの業界関係者が固唾をのんで見守っているのが、「5枠目」の行方だ。
「JAL-三沢空港(青森県)」と「スカイマーク-下地島(沖縄県)」路線の「総得点が僅差だった」(国交省)結果、延長線に突入することになったのだ。両社が2021年3月から1年間のトライアル運航を実施して、その実績について有識者が再度評価を行うことになっていた。
ところが、新型コロナの影響で全体の需要が減少したため、トライアル運航は再び延期。2022年3月から1年間のトライアル運航が評価対象となった。「(就航を)トライアル運航で決めるというのは聞いたことがない。かなり珍しい」(航空会社の幹部)。
この再トライアルの期間が2023年3月で終了する。これまでの1年間の実績を有識者が評価し、JALとスカイマークのどちらかが2025年3月までの発着枠を獲得する運びとなる。
「ドル箱」の羽田発着枠をいかに獲得できるか
航空各社にとって、羽田空港の発着便は「ドル箱」だ。羽田空港は利用客が日本で一番多く、羽田の発着枠をどれだけ確保できるかは、航空各社の収益に直結する。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら