ANAとJAL、黒字転換でも忍び寄る「不安」の正体 利用客層の変化を見据えた対応が求められる
航空業界の両雄、ANAホールディングスとJALの業績が回復しつつある。ただ、2023年度を見据えるとある「不安」も見えてくる。
ようやく空の賑わいが戻ってきた。
2022年10月末から11月にかけて行われた航空の両雄、ANAホールディングス(ANAHD)と日本航空(JAL)の4〜9月の決算発表は、3年に及ぶコロナ禍からの復調を感じさせるものだった。
浅草や東京駅周辺など観光地では訪日外国人を含めた観光客を見かけることも多くなってきた。2022年3月から水際対策が段階的に緩和され、国内でも10月11日から全国旅行支援が始まったことで、旅行客が増えているのだ。
「上期では3年ぶりの黒字決算を受けての通期の上方修正は素直にうれしい」。ANAHDの芝田浩二社長は決算会見の場でこう述べた。2022年4〜9月のANAHDの売上高は、7907億円(前年同期比83.4%増)、JALは、6185億円(同112.8%増)と、ともに大幅な増収となった。
四半期ベースで営業黒字に転換
さらに注目すべきは営業利益だ。ANAHDは314億円(前期は1160億円の営業損失)、JALは営業損失39億円(前期は1417億円の営業損失)であるものの、直近の7〜9月の営業利益は262億円と黒字に転換した。四半期ベースで営業利益が黒字に転換したのは、ANAHDは2021年10〜12月以来、JALは2019年10〜12月以来である。
両社の業績が回復している理由は、大きく分けて2つある。
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