
――晴れてミネルバ大学生になられて、興味のあることは見つかったのでしょうか。
今もまだ、自分の興味のあることはわかりません。考え方は日々変化していて、やりたいこともつねに変わっていきます。僕はルーチンが嫌いで、1週間先のことも考えていないぐらい、将来のことも決めていません。例えば今はインドに来てから2週間ぐらいなのですが、最初に比べて街や食事に慣れて、楽になってきたなと感じています。でもこれって、ここでの滞在がルーチン化してしまったということ。だから新たな刺激を求めてジムに通い出したり、中国語の勉強を再開したり、ポーカーを始めたりしています。ポーカーは毎日1時間勉強していて、もう友達には負けなくなりました。そのうちラスベガスでプロポーカープレーヤーになる予定です(笑)。
「今」を毎秒楽しんでいたいし、そのためにやらなければいけないことも毎秒変わっていく。今のところは大学が第一優先ですが、もしやりたいことや興味のあることが決まったら、大学もすぐに辞めると思います。
これは僕のSNSを見てくれている若い人たちにも伝えたいのですが、とにかく恐れずに挑戦して、自分を試してほしいと思います。自分がどういう人間かは、行動してみて初めてわかること。僕は興味のあることをずっと探し続けていますが、やりたいことが見つからなくても生活はできるし、探し続ける過程こそが大事なんだと思っています。
――探し続けるための原動力はどこからくるのでしょう。自分が人より優れている点があるとしたら、どんなところだと思いますか。
根拠のない、変な自信があるところ(笑)。これは子ども時代からずっとそうで、両親にも「どうしてそんなに自信があるの?」と言われていました。
僕は自分の考えていることに対して、正しいかどうかではなく誇りを持っているし、理由がなくても自分の出した結論を自分で肯定できる。迷ったらいつもつらいほうを選ぶようにしています。
僕の生き方は少し特殊かもしれませんが、人それぞれにいろんな形があっていいと思います。周りの大人には子どもの興味を突き詰めさせてあげてほしいし、個性を潰さないでほしい。親世代の常識はもはや今の常識ではないし、いくら親がリサーチしても、子ども自身が現場に行かないと本当のことはわかりません。シャイだった僕も、僕自身が変わりたいと思ったからこそ今があるのです。
(文:鈴木絢子、写真:ゆじーさん提供)
東洋経済education × ICT編集部
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