相鉄・東急新横浜線開業「安くなる」区間はどこか 直通で乗り換えは減るが運賃はどう変わる?
都営三田線は新横浜線直通運転の本数が多いが、実は三田線各駅から二俣川へは、JR線を利用して横浜で相鉄に乗り換えたり、メトロ各線から東急線に入ったほうが安かったりと、運賃面ではかなり不利である。
とくに東京(大手町)からの場合、JRと相鉄を横浜で乗り継ぐ場合(現行672円)との差は185円。バリアフリー料金加算によってJRと相鉄2社で計20円が加算されると692円となるため多少は差が縮まるが、それでも三田線・新横浜線ルートは間にもう1社挟んでいるのではないかと思うほどの運賃差だ。焼け石に水かもしれないが、都営地下鉄は京成線を挟んで北総線まで乗り通すときに適用される割引制度を相鉄とも検討したほうがいいのではないか。
小田急との競合では、相鉄の海老名・大和・湘南台など小田急が乗り入れる駅の場合、新宿へは1本で行ける小田急に運賃面で歯が立たないのは仕方ない。ならばどの経路でも最低2社線経由となる渋谷までで比較するとどうだろう。運賃改定・バリアフリー料金加算後の運賃で比較すると、小田急・京王井の頭線経由(下北沢乗り換え)は海老名から598円、大和から565円(中央林間乗り換え田園都市線経由は548円)、湘南台からは639円(同611円)である。これを新横浜線経由にすると海老名から752円、大和から700円、湘南台から791円と、最大180円差にもなる!
加えて、これらの駅から都心へ行くのはたったの日中毎時4本。競争になるのだろうか。通勤時間帯なら1時間最大11本とのことだが、運賃がこれでは、このルートの定期代を経理が認めてくれるかどうか……。
新幹線、新横浜から乗ると安くなる場合も
新横浜は東海道新幹線の停車駅だ。これまで、都内の東急沿線や新宿など山手線西側の地域の方は、品川へ出て東海道新幹線に乗ることも多かったのではないだろうか。しかし、新横浜線開業後は、池袋などの方も新横浜に出たほうが、発駅―新横浜間の運賃と新幹線代を合わせても安くなるケースがある。とくに渋谷発の場合は片道300円前後、最大だと渋谷―静岡・西明石間の片道が400円安、往復では800円も安くなるのだから驚きだ。
このほか、池袋・新宿からでも、とくに名古屋、京都へ出る場合に割安となることが多い。反対に新大阪へ行く場合は高くなる。これはJR運賃のキロ帯の幅が広く、東京からでも新横浜からでも同じキロ帯に収まる区間だとどうしてもこうなってしまう。そのため、姫路以西の各駅では安くなるのは新山口・小倉へ行く場合のみであった。
また、新幹線各駅から在来線に乗り継いで行くケースだと、渋谷から京都乗り換えで福知山・天橋立へ行く場合は642円、往復で1248円も安くなる。
いかがだったであろうか。筆者としては新幹線乗り継ぎとその先の在来線乗り継ぎまで考慮したときのお得額にびっくりであった。
また、試算してみると都心や川崎市西部、横浜市西部から新横浜まではほとんどのケースで東急新横浜線経由が安くなる傾向にあるが、そこから先、相鉄線内へ踏み入れると一気に既存ルートより運賃が高くなるようである。とはいえその差額は100〜200円程度なので、所要時間が短くなるのであれば「特急料金」と捉えれば安いとも言える。東京から50km圏の場合、特急を利用しても所要時間が15分程度短縮できればいいほうで、それに500円や700円といった料金がかかると思えば安い金額である。乗り換えなしや時間短縮に価値を感じられる人は新横浜線経由のルートを調べて活用してはいかがだろうか。
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