東洋経済が選ぶ、保護者にお薦め「子育ての悩みに今すぐ役立つ」本10冊 新しい教育トレンドを家庭で取り入れるヒント
13歳からのアート思考(著:末永幸歩)
そんな学校教育の中で重視される探究学習の一環として、アートに取り組むことを勧めているのがアーティストでありながら東京学芸大学の個人研究員を務める末永幸歩氏だ。
『13歳からのアート思考』(著:末永幸歩/ダイヤモンド社)はベストセラーにもなっているため知っている人は多いかもしれないが、STEAM教育やリベラルアーツに注目が集まる中で、いま一度見直しておきたい一冊といえる。「そもそもアートとは、答えがないものと向き合い、自分なりの物の見方をつくり、自らの答えを考えること。これは現代で求められる生きる力そのもの」と末永氏は話す。
本書では、こうした生きる力を育む「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。
発表がうまくなる!好きになる!10歳から知っておきたい魔法の伝え方(著:鈴木深雪)
『発表がうまくなる!好きになる!10歳から知っておきたい魔法の伝え方』(著:鈴木深雪/日本能率協会マネジメントセンター)は、伝える力を家庭で育てるヒントが詰まった一冊だ。
著者の鈴木氏は、小学校から高等学校までの子どもたちが「子どもの先生」になり、Zoomで見ず知らずの大人たちに思い思いのテーマを発表するオンライン講座「子どもが教える学校」を主宰。これまで多くの子どもたちに自分の思いを伝える秘訣を教えてきた。
大人でもプレゼンテーションは苦手という人は多いが、本書では「伝えたいことの見つけ方」に始まり、「話の組み立て方」「見せ方」「話し方」に至るまで、わかりやすく「伝え方」のコツを紹介している。
貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!(著:大河内薫、若林杏樹)
22年にスタートした高校の新学習指導要領では、歴史総合や情報Iなど大きくその内容が変わったが、新科目「公共」では金融経済、家庭科では資産形成に関する授業がスタートしている。
これまで「お金に関する教育」は、あまり学校になじまないとする考え方もあったが、日々の生活に欠かせない「お金」について知ることは将来、子どもたちの役に立つに違いない。税理士である大河内薫氏は、かねて「お金の教育を義務教育に」というスローガンの下、啓発活動を行ってきた人物だ。
そんな大河内氏の『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』(著:大河内薫、若林杏樹/サンクチュアリ出版)では、NISAやiDecoなど節税しながら資産形成ができる投資制度、保険、年金、投資信託など、今さら聞けないお金の悩みを漫画でわかりやすく解説してくれている。