東洋経済が選ぶ、保護者にお薦め「子育ての悩みに今すぐ役立つ」本10冊 新しい教育トレンドを家庭で取り入れるヒント
米国トップ大学受験バイブル(著:尾澤章浩、向井彩野)
こうした海外トップ大学に進学を目指す高校生が増えている一方、海外進学について十分にサポートできる体制が整っている学校は少ない。そのため日本の大学を受験する以上に本人、保護者の準備が欠かせない。
『米国トップ大学受験バイブル』(著:尾澤章浩、向井彩野/PHP研究所)は、文字どおり米国のトップ大学への合格ノウハウをまとめた一冊だ。本書は、2022年にハーバード大学を卒業した向井彩野氏が、自身が苦労した海外大学の受験準備に関する情報を「誰でもどこででも手に入る本」としてまとめたいと、海外トップ大学進学塾RouteH塾長の尾澤章浩氏に持ちかけて生まれたという。
受験プロセスの最初から最後までまとめられており、海外大学進学を視野に入れている家庭は一度は目を通しておきたい。
元バカによるバカのための勉強100カ条(著:でんがん)
子育てや教育関連本において、やはり根強いニーズがあるのが受験や、そのための勉強法を扱ったものだ。中でも「偏差値○から有名大学に合格した!」というようなキャッチーな成功例は、ついつい手に取ってしまう本だろう。
『元バカによるバカのための勉強100カ条』(著:でんがん/SBクリエイティブ)は、わずか1年で偏差値が40から70に上がったでんがん氏初の勉強本。今やチャンネル登録数170万人超の人気理系YouTuberとなったでんがん氏が、いかに大阪大学に合格したのか。自分の得意や苦手を把握して、どんな勉強法で成績を伸ばしていったのかが細かく記されている。
本人曰(いわ)く「手のかかる子だった」というから、わが子の将来が心配という親御さんはもちろん、成績が伸び悩んでいるというお子さんにも気軽に薦めることのできる一冊だ。
成功する子は「やりたいこと」を見つけている(著:中曽根陽子)
一方、デジタル化が進み変化の激しい社会において、「どれだけ知っているか」という暗記型の知識は通用しなくなっている。これからの未来を生き抜く子どもたちに必要なのは、「何がやりたいのか、何ができるのかを考え、自分で道を切り開いていく力」と話すのは、教育ジャーナリストの中曽根陽子氏だ。
『成功する子は「やりたいこと」を見つけている』(著:中曽根陽子/青春出版社)では、この「自分で道を切り開いていく力」の源となる「探究力」を育てる方法を、中曽根氏が豊富な取材とエビデンスに基づいて解説している。
今、学校においても自ら問いを立て課題を解決する力を養う「探究学習」が重視されている。そんな探究力を家庭で育てるヒントを得られる一冊だ。