2023年の「日米の株価」はどのように動くのか 行きすぎた悲観相場の修正後に待ち受けるもの

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最近は笑顔も増えてきたジェローム・パウエルFRB議長。なんとかインフレピークアウトの見通しが立ったからだろうか(写真:ブルームバーグ)

アメリカを中心とした「インフレ高進による金利上昇懸念」は、10月あたりまでは市場の反応に行きすぎの度合いが強かった。これまでも何度か述べてきたが、主要国の株価は「逆金融相場」という形で下落し、アメリカの長期金利は上昇色を強め、それが急激なドル高円安を招いてきた。

それ以降、足元までは、そうした行きすぎの反動、いわば過度の懸念の「正常化」が進み、株高、アメリカの長期金利低下、ドル安円高方向への揺り戻しが生じている。この「正常化」はまだもう少し進み、日米の株価指数は上値を伸ばすものと見込んでいる。

ただ、こうした市況の動きは、あくまでも「その前の過度の悲観の反動だ」という認識が必要だろう。したがって、そのまま主要国の株価が2023年も上昇基調をたどり続けるとは見込みがたい。今回のコラムでは、2023年にどのような市況展開が見込まれるか、日米の株価やドル円相場を中心に、具体的な数値を挙げて解説したい。

2023年の世界市場はアメリカの景気悪化に支配される

とくに2023年の前半は、アメリカ経済の悪化が世界市場の主要なテーマとなりそうだ。インフレ率は今後も低下していくと見込むが、一気にかつてのような低インフレに戻るとは見込みがたく、じわじわとしたインフレの改善にとどまる見込みだ。とすれば、同国の連銀は、短期金利の上げ幅を縮小はしても、長い間だらだらと利上げを続けることになると考える。

すでに同国の政策金利は3.75~4.0%に引き上がっており、12月13~14日のFOMC(連邦公開市場委員会)においては4.25~4.5%への利上げが有力だ。2.5%程度と推察されている中立金利(景気を温めも冷やしもしない金利水準)を大きく超えてきており、高金利による景気抑制効果が累積されていくこととなる。

金利敏感産業の代表選手である住宅については、着工件数、販売件数などがかなり悪化を示している。需要項目として最大の個人消費は、過去のコロナ対策で配られた資金や上昇が続く賃金などを背景に今は強いが、次第に息切れに向かうおそれがある。

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