クレディスイス・グループが大リストラ計画発表 5900億円の増資、投資銀の再編とSPG売却も

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スイスの銀行クレディ・スイス・グループは、40億スイス・フラン(約5900億円)規模の増資と投資銀行部門の縮小、数千人の人員削減を伴う戦略計画を発表した。同行は収益力回復に取り組んでいる。計画発表後、同行の株価は一時約16%下落した。

27日の発表によると、株主割り当て増資とサウジ・ナショナル・バンク(SNB)などの投資家への新株売却による2本立ての増資を計画している。出資によりSNBのクレディ・スイス持ち分は最大9.9%と、大株主になる可能性がある。

投資銀行は実質的に分割し、助言・資本市場事業を手掛ける独立した銀行を誕生させ、「ファースト・ボストン」のブランドを復活させる。

クレディS、今後3年間で投資銀行再編へ-2700人削減を実施中

独立させる事業はクレディ・スイスがかねて強みを持つ助言とレバレッジドファイナンス業務を含む。シティグループ出身のマイケル・クライン氏が率いる。レバレッジドファイナンス事業には外部資金も受け入れる。

「CSファースト・ボストン(CSFB)」という名前になる新しい投資銀行のスピンオフに向けてクレディ・スイスはアンカー投資家を確保したと、状況を直接に知る関係者が明らかにした。合意が未公表だとして匿名を条件に語った同関係者によれば、クレディ・スイスは資金注入5億ドル(約730億円)のコミットメントを得ている。投資家が誰かは現時点で分かっていない。

同行はまた、証券化商品グループ(SPG)の大部分をアポロ・グローバル・マネジメントとパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)に売却することも明らかにした。

クレディS、証券化商品部門の大半をアポロとPIMCOに売却へ 

同時に発表した7-9月(第3四半期)決算は大幅な赤字。投資銀行業の苦境が続き、富裕層顧客が資金を引き揚げた。7-9月期の純損失は40億3000万フラン(約6000億円)。損失には事業再編に絡む繰り延べ税金資産の評価引き下げによる37億フランが含まれる。

クレディ・スイス、7-9月は6000億円の赤字-再編費用や投資銀損失

事業再編の費用は24年までで約29億フランを見込む。同行は今年10-12月(第4四半期)も恐らく赤字との見通しを示した。

ウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、抜本的な再編の結果、24年以降に黒字化するとの見通しを示した。

  

人員削減も開始しており、10-12月(第4四半期)に2700人を減らす。25年までに約4万3000人体制と現在の5万2000人から縮小する。同期間にコストベースも25億フラン(15%に相当)減らす。

CSファースト・ボストンはニューヨークを本拠とし、北米を事業の中心とする。欧州での融資と資本市場事業は減らし、最終的に処分を目指す資産を集めた部門に含める計画。

ファースト・ボストンに含まれないトレーディング業務はクレディ・スイスが保持する。

また、SPGでは同グループ資産の大部分と他の関連するファイナンシング部門も売却する。発表によると、買収する投資家グループは「顧客との切れ目ない高頻度の接触機会の維持に向け、特定の継続中のサービスをクレディ・スイスから引き継ぎ、SPGのチームを新たなプラットフォームに採用するほか、クレディ・スイスのために残余資産の管理も行う」としている。

16年以降ジェイ・キム氏(ニューヨーク在勤)が統括するSPGは住宅ローンや自動車ローン、カードローン債権プールを裏付けとする証券を売買し、これらの金融商品を購入したい顧客への資金提供も行っている。

ウルリッヒ・ケルナーCEOSource: Bloomberg

原題:Credit Suisse to Raise $4 Billion to Fund Sweeping Overhaul (3)、Credit Suisse Is Said to Draw Investor for First Boston Spinout、Credit Suisse to Raise $4 Billion to Fund Sweeping Overhaul (2)、Credit Suisse to Raise $4 Billion to Fund Sweeping Overhaul (1)、Credit Suisse to Raise $4 Billion to Fund a Sweeping Overhaul、Credit Suisse’s Koerner Says Bank Will Be Profitable From 2024(抜粋)

--取材協力:.

(第1段落で株価を更新し第2段落にサウジの持ち分について追加します)

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著者:Marion Halftermeyer、Myriam Balezou

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